今月2日、日本航空の旅客機が羽田空港に着陸した直後に、滑走路上にいた海上保安庁の航空機と衝突して炎上した事故では、着陸の18分後に乗客乗員379人全員が脱出用シューターで避難しました。

この事故で、日本航空がパイロットから聞き取りを行い、事故前後の経緯をまとめました。

それによりますと、着陸後の状況について「通常どおりに着陸した直後に一瞬何かが見え、強い衝撃があった。その後、機体は滑っているという感覚だった」としています。

そのうえで、「機長が、ブレーキ、尾翼の方向舵、車輪の向きを変えるハンドルなどを操作したが機能せず、アンコントローラブル=操縦不能だと認識した」ということです。

滑走路脇の草地に機体が停止したあとの状況については、「停止後、操縦室内は真っ暗だった。すぐに緊急脱出が必要だと認識した」としていますが、「エンジンへの消火剤の散布が完了したことを示すライトが点灯しなかった。操縦室から客室乗務員に緊急脱出を指示する装置も機能しなかった」ということです。

国の運輸安全委員会は衝突から乗客が脱出するまでの経緯についても詳しく調査しています。